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あなたならどうする 孤立死 /中下 大樹

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こんにちは。岡本大輔です。
昼の紹介はこちらです。
↓↓↓

著者 : 中下大樹
三省堂
発売日 : 2013-03-16









【出会い】
帯広図書館の新刊コーナーで出会いました。

【本書紹介のねらい】
~本書抜粋より~
本書では「孤立死問題」を正面から扱っている、まずは読者の皆さんに、私が見聞きしてきた孤立死の現場を語ることから始めたいと思う。

孤立死は他人事ではなく、あなた自身にも、あなたの周りにも起こる可能性がある。今一度考えてみましょうか。


【響いた抜粋と学び】
著者の中下さんは真宗大谷派住職資格を得た後、仏教系ホスピスにて末期がん患者数百人の看取りに従事します。退職後は東京で「寺ネット・サンガ」を設立し、代表に就任、「駆け込み寺」としての役割を担います。今は、生活困窮者のため葬送支援、孤立死防止のための見回り、自死念慮者の相談、自死遺族のケア、貧困問題など、様々な活動を行なっています(執筆当時)。

「孤立死」したからと言って、その死を「哀れ」と決めつけるのは問題である、先人達の死は、残された者・後人達の務めである、それらを継承しながら、人は先祖代々に渡って生きてきた、死は自然な営みである、身体は独りであったとしても、精神状態まで独りを感じていたかどうかは外部の人間には分からない。

住み慣れた家や部屋の中で、一人きりtで死んでいくことは悪いことではないとしても、孤立死が起こってしまった場合の多くは、警察が介入する死であることにかわりはない、そして、孤立死が起こってしまったアパートやマンションの部屋に、あなたは住民として新しく入居したいと思うだろうか?


まずは「孤立死」についてです。ここでは「孤立死」=悪、という定義にはしておりません。実際、死ぬときに、
「これから私は死にます。看取ってください」

と要望することはないでしょうし、人が死ぬときに一人ではいけない、ということではありません。
しかし、高度経済成長を経て物質的に豊かになった国で誰にも看取られずに亡くなっていくことに疑問符が出るのではないか、と感じます。

年を取りたくない、死にたくないと思っても、それらから誰も逃れることはできない、私たちの社会で今、必要なことは、その「無力感を共有すること」ではなかろうか? 涙を流し、痛みを共有し、弱さを認め合うこと、それこそが今、最も必要なのではないか。

本書では都市の問題や田舎特有の深いつながりによる弊害についても書かれていました。つながりの深すぎることが負担になって、みんな嫌気が差して都市に行ったのに、結局またつながりを求めてfacebookやtwitterなどSNSを介していくわけですから。

貧困というのは、お金だけの問題ではないと、今は、「貧困というのは貧乏プラス孤立なんだ」と言っています。

「人間関係の溜めがない状態」というのが孤立であると考えています、それは、経済的な困窮とセットになっているというのが今のありようではないかなと思っているんです。

家族や他人や行政サービス、それらとの間に「距離」が広がってしまったとき、人は孤立してしまうんじゃないかと思うんです、私は、貧困問題や自殺とかも、その「距離」によって発生する問題で、すべてにおいて根源は繋がっているような気がしているんです、そして、誰しもがその闇に包まれてしまう可能性を秘めています。


現代において、「貧困」という定義はますます多様化しているような気がします。単純にお金がないだけでなく、つながりも弱い、貧乏だからつながりも弱いのか……? いや、お金がなくても人脈がある人はいるよね。
別の方の書籍では、お金がついてくる、ということはつまりその人の人間力だ、なんていう説もあったので、孤立していく人の心の部分に何か手掛かりがあるんじゃないかな、なんて考えていました。

人間は弱い存在である、常に誰かの承認に飢えている、家族が解体されることによって、家族から信頼される機会を失った私たちは、別の形で承認欲求を満たすしかない、会社や学校で「出来る人」は良い、しかし、世の中全員が「出来る人」ではない、承認欲求や自尊感情が社会で満たされないと、ある人は他者に攻撃的になり、ある人は自分を守るために殻に閉じこもる、孤立死は、自分を守るために殻に閉じこもる延長上にあるのではないか?

「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方 /岩田 松雄 でも、最後には自分は弱い存在だ、と話すところがありました。

自分を認めてもらうだけの力がある人は、もしかしたらこのようなことは考えることなんてないのかな、なんてことも思いました。

孤立死は自分を守るための手段という発想が斬新でした。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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帯広市内や近郊にお住まいの方で本書の購入を検討した方はぜひ「ザ・本屋さん」での購入をオススメします。
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非定期配達は1000円以上で無料です。
配達区以外の場合は、郵パックで対応してます。

詳細はホームページでご確認くださいませ。
ザ・本屋さんウェブサイト

著者 : 中下大樹
三省堂
発売日 : 2013-03-16


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