おはようございます。岡本大輔です。
本日の紹介はこちらです。
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NHK出版
発売日 : 2013-03-23
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【出会い】
帯広図書館の新刊コーナーで出会いました。
複合被曝~テレビじゃ話せない!食と放射能の話~ /垣田達哉
放射線医が語る被ばくと発がんの真実/中川 恵一
【本書紹介のねらい】
~本書抜粋より~
ロンゲラップ島では、がんやその他たくさんの病気が発生しました、女たちは死産、あるいは『怪物』のような姿の子どもを産みました、そして、男たちはそれまでなかったようながんを発症しました、恐るべき時代でした、それでもアメリカは『安全だ』と言い続けました、同時に、汚染された食物を、そうとは知らず食べている住民を検査し、放射能の影響を研究しました、これから、私が旅の途上で発見した「真実」を、ともに見届けていただきたい。
この本は最初から最後まで「より幸せな未来」をたぐり寄せるために書きました、この小さな本が、少しでも読者のお役に立つことを願っています。
原爆の被害にあったのは日本だけじゃない……世界にある知られざる現実を知る。
知識・教養を深めましょう。
【気になった抜粋】
「よその島の人たちは、私たちが放射能で汚染されていることを恐れて、手を握ることさえ拒みました。よその島の人がいると、私たちは家の外に出ることをためらいました。なぜなら、その人たちは私たちに向かって、『ブドウのような赤ん坊を産む女だ』と言うからです」。
【響いた抜粋と学び】
~Amazonからの紹介~
◎ベストセラー『戦後史の正体』著者・孫崎享氏、推薦! ◎
「住民は除染の不完全な故郷に帰った。なぜ? たぶん“人体実験"だったのです」
〈偽り〉の安全宣言に隠された
原発+核兵器〈一挙拡大〉計画とは。
ネットで大反響のNHK番組に“衝撃情報"を全面加筆!
〈核実験場〉マーシャルと〈原発大国〉日本を結び、
アメリカの「秘められた核戦略」をあぶり出す意欲作。
アメリカはすでに「マーシャル諸島を恒常的な核実験場にする」と発表していた、アメリカはこの地域を「戦略的信託統治領」とすることを国連から認められていた、実質上の「植民地」である、住民の同意なく核実験をおこなうことができるし、「立ち退き」の強制も可能、外国人の立ち入りも拒否できる。
一体なんの権限で、こんなことをアメリカができるのか……。憤りを感じさせる部分です。
なじみのない避難先での暮らしは苦労の連続だったという、故郷では自由に木の実を穫り、漁をしていたが、避難先では、なにをするにも地権者の許可が必要だ、「マーシャルでは、故郷の島に葬られないことは、とても良くないことなんです、天国に行けない、と本気で気に病むお年寄りもいるんです」。
私たち全員が裸で立っているのを彼に見られてしまいました、私たちは涙を流しました、なぜなら私たちの習慣では、親戚の異性に裸を見られることは、決して犯してはならないタブーだったからです、まるで私たちの文化が引き裂かれたようでした」。
マーシャル諸島ではキリスト教(プロテスタント)が主流だ、棺に納めて土葬するのが一般的である、「イバイ島は混み合っていて、遺体を埋めることはできなくなりました。私たちは、死者を埋める場所を探し回らねばならなかったのです。それでも見つからず、やむなく火葬に踏み切るようになったのです」、「弔い」という、共同体にとって最も大切な宗教行事が、変質していったのだ、同時に、自殺する住民が増えた。
「このままマジュロで暮らすのは、孫たちのためにも良くないと思うの。伝統や文化がすっかりなくなってしまうのが怖いのよ。互いに助け合う気持ちがどんどんなくなっているじゃない。ふだんから私もそういうことを教えているし、学校でもロンゲラップの伝統文化を伝えているみたいだけど、ここで暮らしている限り、食生活も文化も、ぜんぶ都会のものになってしまうわ。だから、ロンゲラップ島に学校ができたら、それを機会に帰りましょう。どう?」。
アメリカの核実験によりマーシャル諸島の伝統文化が強制的に失われてしまったのです。日本人も大東亜戦争のときに、自国の歴史・文化を奪われそうになりました。
GHQは日本で、歴史や文化を即排除しませんでした。その代わりに長い年月をかけて歴史を捻じ曲げて教えたのです。
なぜ、日本が開戦に踏み切ったのか、当時の世論はどうだったのか、国民は新聞社の情報とともに開戦を支持していた……支持していたどころか、開戦しないと暴動が起きるくらいの状態だったなんてことをおそらくほとんどの日本国民は知らないんじゃないか?
あの時代、日本に限らず、西欧諸国、欧米、各国が植民地争いを繰り広げていたのです。
どこの国も他国を侵略していたんです。
日本が中国・朝鮮を侵略したから悪い、と一方的に教え込まれた歴史を見直そう。
日本政府……自国民を被曝させられ、死者まで出て、しかも核実験の責任者から「スパイ」と濡れ衣を着せられたにもかかわらず、政府は「早期決着」を急ぐ、アメリカから200万ドル(当時のレートで換算すると7億2千万円)の見舞金が日本側に払われることで「完全決着」とした、この金は価格暴落などへの「慰謝料」として配分された、乗組員には一人あたり平均200万円が支払われた。
実は、第五福竜丸以外にも約千隻もの日本漁船が「死の灰」を浴びていた、しかし、その船の乗組員には見舞金は支払われなかった、それらの船の乗組員のなかにも被曝の影響と思われる病気が多発したが、現在に至るまで、なんら補償や手当をなされていない。
第五福竜丸が被爆したことは社会の時間に習いましたが、そのときの被爆のことは習いましたが……慰謝料については記憶が曖昧です。
他の漁船も被爆したという話は初耳でした。なるほどなぁ。福島原発問題の前にも被爆問題があったんですね。
「おばあちゃんはニコニコしてじっとしてくれていたよ。元気なおばあちゃんでね、百五歳まで長生きしたのよ」―百五歳? たいへんな長生きですね、「昔は珍しくなかったよ。みんな長生きだった。爆弾が爆発する前はね」。
島での生活は木の実をとったり、漁業で魚を取ってきたり、現代日本に比べて食料が不足しているように思えますが……不要な食品添加物などが入っていないので、長寿だったんでしょうね。
日本も昔は病気で亡くなる人が多かったのですが、長生きする人は80歳以上まで生きていたようですからね。
抜粋にはいれませんでしたが、島が核で汚染されてから缶詰などアメリカから支給されたそうです。その手のものを食べ始めてからこの島では糖尿病になる人が激増したんだとか。
今の日本と同じですね。
「アメリカ政府から医療保険を受け取っている母を、私は咎めたことがあります。『お母さんはアメリカを赦すのですか? どうしてアメリカに屈服して、自分のからだを調べさせたりするのですか?』そう言って母を責めたのです。すると母は答えました。『ほかの誰を頼れというの? アメリカ以外のどの国がこの問題に関わってくれるというの? 誰もいないのよ』母は、生前、そう言っていました」。
どこにもやり場のない憤りがたまっているのが分かりますね。誰も屈服したいなんて思っていない。でも頼りにできるのがそこしかいない。切ないなぁ。
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