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プア充 ―高収入は、要らない― /島田 裕巳

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おはようございます。岡本大輔です。
本日の紹介はこちらです。
↓↓↓
著者 : 島田裕巳
早川書房
発売日 : 2013-08-23









【出会い】
早川書房 岩崎輝央 様より献本していただきました。ありがとうございます。
以前は
ひらめく人の思考術: 物語で身につくラテラル・シンキング/木村尚義 というストーリー形式で学ぶラテラル・シンキングを読ませていただきました。
今回も同じストーリー形式です。


【本書紹介のねらい】
~本書抜粋より~
東洋の宗教では、世間のなかで出世してお金を儲けるのではなく、欲望を抱かず満足して生きる「小欲知足」という考え方があったらしい、プア充は、その「小欲知足」の思想を、現代の日本に適した形にアレンジしたもの、収入が低いからこそ、豊かに安定した生活ができて、楽しく幸せに生きられるという考え方なんだ。

この本を読みながら、ちょっと立ち止まって一緒に考えよう、今の生活を続けた未来に、何が待っているのか、定年後、死ぬまでの間、仕事なしで何を楽しみに生きていくのか。


人間はなるようにしかならない。今の自分を受け入れる、今現実を受け入れる……小林正観さんが話すお釈迦様と同様に、すべてを受け入れること、他人と比較しないことを実践したいあなたにオススメです。

あなたの人生は誰と比較するものでなく、収入でランクを決めるのはない! お金や権力の争いにほとほと疲れてしまったあなたにオススメですね。


【響いた抜粋と学び】
著者の島田裕巳(ひろみ)さんは宗教学者で作家、NPO法人の自由をすすめる会会長をしております。宗教学の視点からビジネスや金融経済など、幅広いテーマで執筆しています。

なんとなく本書を読んでいて小林正観さんを思い出してしまいました。今現実を受け入れること、諦めること、
「え?!」
って思う内容かもしれないけど、読み進めていくと
「……なるほど!」
と腑に落ちて心に深く染み渡る。そんな書籍になっています。

「会社というのは、株主に利益をもたらすためにあるものだから、株式会社である限りは、成長という使命からは永遠に逃れられないだろう、大きな会社であればあるほど資本も大きいわけだから、プレッシャーも大きいだろうね、みんな、そのプレッシャーにずいぶんと振り回されているわけだ」。

「会社の成長使命に、君たち個人が振り回される必要はないんだ。『成長しなければならない』『稼がないといけない』現代社会が作りだしているそんな幻想に、みんな不安をあおられているだけなんだよ」。


焼け野原からの復興となった昭和20年8月。あの頃の日本でこの抜粋のようなことを言っていれば、今の日本はどうだったろうか? 
きっと犯罪率も高く、国の成長もしていない、貧しい国だったでしょう。先人たちは、日本の明るい未来を信じて、働いてくれました。そして、僕たち若い世代に豊かな生活をくれたのです。
現に考えてみてください。本書にも何度も出てくる年収300万以下のワーキングプア。
北海道、十勝帯広の福祉職の多くはそのワーキングプアですよ。それでも50年前とは比べ物にならないでしょう? 50年前のワーキングプアはきっと食べるものに困って餓死してたんじゃないでしょうか?

現代のワーキングプアは50年前には考えられなかった一人パソコン一台。スマホ所有。インターネットを使って世界中の情報を集められます。ワーキングプアでも車に乗っています。

考えてみてください。福祉職を筆頭にワーキングプアと呼ばれる人たちがどこまで貧乏なんですか?
食べものに困っていますか?

「日本は海外に比べて犯罪も少ないし、どこのお店に行ってもサービスのレベルが高く、店員も親切だ。平和な国だから、国民も温和で他人に優しい。極端な話、日本ではホームレスになっても生きていける。社会全体が豊かだから、たいしたお金がなくても生きていける国なんだよ。こんなに生きやすい国はなかなかないだろうね」。

昔読んだ
どん底からの成功法則 [単行本] の堀ノ内九一郎さんもホームレスから這い上がって、生活創庫を全国区にしましたね……。
※ この記事書いていて堀ノ内九一郎さんを調べたら、生活創庫は倒産したんですね。あらら。

彼は生活創庫を始める前はゴミステーションから家具などを拾って売っていたなんて書いてましたね。上流階級は長く使えるいいものを買うからゴミは少ない。中流階級は中途半端なものを買い揃えるからゴミが多いなんてことを聞きましたよ。

「余裕がなさすぎて時間の管理ができず、間に合わせるためにタクシーに乗るなんてのも、無駄遣いだな。時間をお金で買うという賢い利用方法もあるからな。だが、時間と心の余裕がないための支出は、無駄な支出といえるだろうな」。

ホントその通りです。仕事に忙殺されて時間管理できず、寸分の狂いもないスケジュールを組み立ていれば人間はどこかで破綻します。だって、人間ってもともと不完全だもの。

無理をして完璧を演じていくとどこかで調和が狂ってしまう。ストレスが溜まる。だからタバコに逃げたり、酒に溺れたり、しまいにはドラッグに手を出すなんてこともありえるのかな。

「仕事にやりがいを求める生き方も、もちろんあるだろう。だが、そういう人はベンチャー企業や大手の忙しい会社に行けばいいんだ。仕事にやりがいを見出さなくても、世の中に楽しいことはたくさんある。『仕事は、一日の3分の1の時間を費やすんだから、そこにやりがいを見出さないと人生はつまらなくなる』なんてのは思い込みだ」。

ここはモロに小林正観さんの考え方とリンクします。松下幸之助さんやサイバーエージェントの藤田晋さんは大好きなことを仕事にして熱中するタイプです。僕はそれは羨ましいし、自分もそうなりたい。自分が大好きなことにずっと集中して取り組んでいたい。
そんな人生を遅れたらどんなに楽しいことか……。そう考えていました。
抜粋にあるのも一理ありですし、この考え方が負け惜しみにも聴こえない。
それだけ現代日本が社会として成熟しているんですよね。色々な生き方ができるんですね。

「世界の宗教の半分は禁欲を基本としている。禁欲しているからこそ、たまに行われるハレの日の行事が、楽しいんだよ。禁欲からの解放だな」、「『待つ』ことは、人間にとって実は意外と大事なことなんだよ。お祭りだって、毎日あったら特別でもなんでもないだろう?」

好きなケーキをあえて我慢、大好きなゲームをやらない、「待つ」ことがあなたの大好きをさらに大好きにさせるんですね。たまにやるからこそ楽しいし、気持ちいい。
介護現場で言えば、行事はたまにあるからこそ、楽しいし刺激になる。きっと毎日やっていれば
「またかい!!」
とツッコミが入るでしょうね。

【編集後記】
本日は仕事が休みです。天気次第ですが、次男と公園巡りと日曜日恒例のホットケーキ作りです。楽しみです。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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著者 : 島田裕巳
早川書房
発売日 : 2013-08-23

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