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社歌/弓狩 匡純

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こんにちは。岡本大輔です。
昼の紹介はこちらです。
↓↓↓

著者 : 弓狩匡純
文藝春秋
発売日 : 2006-11










【出会い】
帯広図書館の特設コーナーで出会いました。シンプルなタイトル「社歌」……「シャカ」の響きはどちらかというと「釈迦」を思い出し、すなわちセイントセイヤの「釈迦」……目を閉じていて意図的にコスモを高めている、ということを想像していました。
※ 今回の書籍とセイントセイヤは全く関係ありません。


【本書紹介のねらい】
~本書抜粋より~
企業は常に変革を繰り返しながらも前進を止めることはない、社歌も時代に合わせて、装いを変えてゆくが、その本質が揺らぐことはない、メロディーを改め、言葉を変えながらも日本の企業が進むべき「王道」の道しるべとなり続けるだろう、本書が企業の一員として汗を流す数多くのサラリーマンたちへの応援歌となればこれに勝る喜びはない。

温故知新……社歌を通して日本の古き良きを知ろう。

※ この本は社歌が入ったCDもしくはカセットテープがあったら最高だったのになぁ。

【響いた抜粋と学び】
著者の弓狩さんはフリーランスのジャーナリストです。アメリカのペンシルベニア州テンプル大学を卒業し、40カ国あまりに及ぶ海外取材経験をもとに、国際情勢から文化、スポーツ、人物論に至るまで、幅広い分野で執筆活動を続けています。

本書はキャノン、サントリー、資生堂、集英社、大丸、東芝、日本航空、松下電器、ヤクルト、ヤマハ、ワコール……など多くの人が一度は名前を聞いたことがある有名企業の社歌を載せています。

また巻末にはなんと「満鉄」……大東亜戦争当時の日本最大の株式会社であった南満州鉄道株式会社の社歌まで載っています。この歌詞を読むと、当時の日本が何を見ていたのかがうっすら感じてきます。

社歌については、山田耕作さんや北原白秋さんなど音楽の時間に習ったことがある音楽家が担当していたり、文化放送ではザ・ピーナッツに歌ってもらったり、吉本興業のようにつんくが担当していたり、と意外とミーハーな感じもあるんですね。

京セラ……社歌は創立記念式典や新人研修、毎月開かれる工場の全体朝礼といった公式の場で歌われるだけでなく、同社名物の「コンパ」でも歌うのが恒例となっている。

僕の会社では社歌はありませんが、たとえば京セラではさまざまな行事で社歌が歌われるんですね。毎週木曜日の朝出席する倫理法人会のモーニングセミナーでも必ず「夢限りなく」という曲を斉唱します。歌というのは古来から伝わるもの、なんですね。歌を通して仲間との一体感、連帯感を強められる、と感じます。

東宝……創立記念日には毎年、東京宝塚劇場に社員が集まり社歌を合唱したというが、残念ながら今では歌われる機会もなく、OB会や宴会の席などでは『青い山脈』が社歌の代わりに歌われるという。

東宝ではあまり歌われず、「青い山脈」が歌われるようです。ちなみに僕の会社でも、福祉施設だけあって「青い山脈」は大人気です。

松下電器は創業以来四度にわたり社歌を改正しているが、その変遷からは日本の産業界が経てきた興隆、傷跡、そして繁栄を読み取ることが出来る、74年に定められた第四の社歌『愛と光と夢で』は現在でも、必ず朝会で歌われている「朝会・夕会はひとつの教育の場として必要」との幸之助の発案により、33年以来、この儀式とも呼べる斉唱は全社的に毎朝欠かすことなく続けられている。

さすが幸之助さん! と唸るところですね。歌は僕たちの生活になじみやすいもので、自然と口ずさむんですよね。それが会社の理念であったり、生き方であったり、などの内容ならばなおいいですね。

ちなみに、TOTOの社歌はかなり斬新ですよ。
「T・O・T・O TOTOべんき♪ 流せ 流せ 流せ 流せ 流せ ぼくらのTOTOべんき でっかいうんち ちっちゃいうんち おしりを拭いたその紙も 流せ 流せ 流せ 流せ 流せ ……」と続いていきます。 

この歌を社員全員で集まって歌っていたら……。

最後に時代背景をちょろっと出して終わります。

【昭和時代~80年代バブル期】従業員数は数十倍にも膨れ上がり、工場やオフィスは全国各地、世界各国に分散され、社歌を皆で歌うなどといった習慣はいつの間にか失われていた、79年の『国民生活に関する世論調査』では初めて、「心の豊かさ」を求める回答が「物の豊かさ」を求めるとする回答を上回る。「理念」に根ざした社歌は「戦争を知らない子供たち」には「ダサい」対象として疎まれるようになった。

大東亜戦争敗戦から焼け野原からの復興となりました。そのとき、全員の気持ちを一つにするのが社歌の役割だったのではないでしょうか? そして、高度経済成長を辿り、いつの間にか社歌は過去の産物になっていきました。

そして、今、現代、この社歌が重要度を増しているのではないでしょうか? 物は人の生活を楽にすることはできても心を豊かにすることはできない、と感じているところではないでしょうか。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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著者 : 弓狩匡純
文藝春秋
発売日 : 2006-11

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