おはようございます。岡本大輔です。
本日の紹介はこちらです。
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朝日新聞出版
発売日 : 2011-07-07
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【出会い】
帯広図書館のアニメコーナーで出会いました。今回は「NEXT READING」読書会で読みました。
【本書紹介のねらい】
~本書抜粋より~
本書は『ウルトラマン』の中で描かれた様々な正義と、それにまつわる諸問題について考察したものです、日頃、中学絵師に授業で伝えていることに触れつつ、生徒には教えていないような現代思想や哲学の方法を用いた説明を大幅に加えています。
~Amazonより~
『ウルトラマン』シリーズに目を向けた時、そこにはウルトラマンと地球平和という“善”があり、侵略者(=怪獣、異星人)という“悪”がある。しかし、その“善”は絶対的に「正義」なのだろうか?その“悪”は必ず倒されるべきものなのだろうか? シリーズ生誕から45年を経て今、『ウルトラマン』が伝えたかった「真実の正義」を説く。
正義について考えよう。哲学しよう。
【響いた抜粋と学び】
著者の神谷さんは駒澤大学文学部国文学科卒。公立、私立の高校教師を経て現在、公立中学校教師。文学講読、現代思想による方法論などを用いた『ウルトラマン』の研究を行っている。『ウルトラマン』の学術的研究誌『紀要ウルトラマン批評』代表(執筆当時)。
実は、僕が本書を手にとった理由というのは、読みやすそうだから、というものでした。図書館で10冊借りるうちの5冊はビジネス書や自己啓発書です。残り5冊は面白系であったり、キワモノ系であったり、などです。
本書もウルトラマンについて適当に書いてある書籍だろうな、なんて思っていたらびっくりです。学校の先生が書いたものだけあって、哲学していて、内容が深いのです。
抜粋においては実際に放送された話の名前を書きましたが、本書にあるあらすじを読まないと、意味がわからないかもしれません。
(悪いのは誰かとは)……「ザ✩ウルトラマン」第12話怪獣とピグだけの不思議な会話より、いかに生育歴が良くなく、劣悪な環境のせいであったとしても凶悪な犯罪を犯せば厳罰を与えられるのは仕方がないことだと思うからです。
海底で生活していた怪獣3兄弟が、人間の大気汚染等で海まで汚染されて3兄弟のうち上二人が凶暴化してしまい、人間を襲うところをウルトラマンが現れた、ということです。
そこで、人間が汚すから兄たちが凶暴になった、という説を話しますが、それは違う、というのです。未成年の凶悪犯罪も同じで、幼少期の親との関わりによって、人間関係がうまくとれずに凶悪犯罪を起こす可能性がある、とありました。
しかし、実際に法を犯すか犯さないかは別問題であり、生育歴や、今回のウルトラマンのような場合でも、厳罰を与えられるのは仕方がない、といいます。
これについては僕も異論はありません。そこで自分は悪くない、親が悪い、なんて話しても成長できませんし、問題解決にはならないのです。
(正しさを疑うとは)……地球は地球人のものという「当たり前」を崩壊してみせたドラマです(「ノンマルトの使者」)。
(戦いは何のため)……戦いの先に何があるのかは誰にも見えず、戦いは何かを得るための手段から始まり、いつしか敵をたたくこと自体が目的になっていくのではないでしょうか。
(正義を求める心とは)……「正義」とはもともとあったものではなく、今日妥当であると思われている「正義」が未来に亘って「正義」である保証もありません。その時、その場に必要な「正義」を設定するため議論が不可欠です。
一つ目の話はあらすじが面白くて思わず読みいりました。地球は本当はノンマルトのもので、あとからきた地球人に侵略された、なんて話でした。
2つめについてはイラク戦争のことを重視して話していました。
最後に、ジャスティスは日本語訳で「正義」とされる場合が多いのですが、実際はちょっと違うようです。ジャスティスは法のもとに平等かどうか、なのです。なので、「正義」を議論する、というよりかは法のもとに平等かどうかを考えたほうがいいのかな? なんて思いました。
【編集後記】
本日は仕事が立て込んでいるため、モーニングセミナーは欠席します。担当者会議は一件です。
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朝日新聞出版
発売日 : 2011-07-07
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