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モラル・ハラスメント―人を傷つけずにはいられない

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こんにちは。岡本大輔です。
昼の紹介はこちらです。
↓↓↓
紀伊國屋書店
発売日 : 1999-12








【出会い】
坂本道憲さんからお借りしました。

【本書紹介のねらい】
職場のパワハラ、セクハラ、家庭におけるDV、学校でのいじめ……人間関係を取り巻く根源を考えてみましょう。

※ 初版が1999年、2010年には15刷まで増刷されています。内容はけっして古くさいものではなく、今読んでも、なるほど! と思わせます。

【響いた抜粋と学び】
(モラル・ハラスメントとは?)……
精神的な暴力、言葉や態度、身ぶりや文書などによって、働く人間の人格や尊厳を傷つけたり、憎体的、精神的に傷を負わせて、その人間が職場を辞めざるを得ない状況に追いこんだり、職場の雰囲気を悪くさせることである。

人を人と思わず、嘘をついたり、相手を操ろうとすることから始まる。

まずは、モラル・ハラスメントとは何か? というところからです。こちらの抜粋は職場におけるものです。高度経済成長期においては仕事にしがみつくことなく、このような陰湿な状態であれば、即仕事を辞めていればよかったのですが、昨今の不況では辞めてすぐに新たな職場があるわけではなく、しがみつかざるを得ない……雰囲気の悪い中、苦しい思いをして働き続けなければならない、というのが問題のようです。


(加害者とは?)……
一時的に行動するわけでもなければ、自分のしたことに罪悪感を覚えるわけでもない、そうして、絶えず誰かを自分の利益のために操り、また破壊しようとするのである。

モラル・ハラスメントの加害者は<自己愛的な変質者>である、すなわち、自己愛的な性格が<変質的>な段階にまで高まってしまった人間である、自分の身を守るために、他人の精神を平気で破壊する、しかも、それを続けていかないと生きていくことができない。

何につけても自分が正しいと思っている、その結果、自分が<常識>であり、真実や善悪の判定者であるかのようにふるまう。

自分が持っていないものを持っている人を見たり、人生から喜びをひきだしている人を見ると、激しい羨望を抱く、加害者の推進力になっているのは、その自己愛的な性格からくる<羨望>である。

本当の意味での主体性をもたないので、どんなことに対しても自分には責任がないと考える、自分に責任がない以上、責任があるのはほかの人のほうだ、ほかに理由はない。

ひとりでいると居心地が悪くなったり、何もできないように感じて、他人の支持や協力を過度に求める、結局のところ、他人に依存しなければ生きていけない人間なのである。


幼い頃の何らかの深い傷(親からの罵倒や精神的な暴力など)により、人格を壊してしまうことが多い、ということは書かれていました。

依存自体はどんな人でも何かに依存はします、その度合いが強すぎると自分で責任が持てず、他責人間になるわけです。
”今の”自分を押し通すことが常識だから、人を傷つけることを厭わないわけだし、人を傷つけることにより、自分を保つ……もはや人間が壊れていますね。

(被害者とは?)……
たとえ根拠のないものであっても他人からの非難に傷つきやすい、何を持っていることの喜びを隠せない、本来豊かで楽観主義で生命力にあふれている、子供の頃に目に見えない暴力を受けて、誰かの支配を受け入れ、その影響が続いている人間。

加害者にとって……良心的で罪悪感を持ちやすいタイプ、加害者は被害者に精神的な暴力をふるうことによって、自分が抑うつ状態になるのを防ぎ自分自身と向かい合って自分を見つめたり、反省したりすることを避ける。


じゃあ、被害者になりやすい人は? というと、これまた幼い頃に何らかの暴力を受けていた人、と加害者と似ているんですね。それでいて、前向きでエネルギッシュな人が標的になります。
なぜなら、加害者の推進力は羨望……嫉妬です。だから、加害者にないものを持つ被害者は格好の餌食なわけです。
自責の念が強すぎるがために被害者になり続けてしまうのですね。


(どうやって回復するの?)……
①どんな心理療法を受けるか、選択すること、②どうやったら、そこから抜け出すことができるか、その方法を考えることである、③自信を取り戻す。

この関係を解消するには、専門的な療法が必要だと話します。また、なぜこうなったのか、なんて話し合っても無意味です。まずは、どうやったらこの状況から抜け出せるかを考えることです。
そして、被害者が自信を取り戻すことです。

加害者を更生しよう、という旨が書かれていなかく(読み落としていたのか?)、第三者の証言や裁判所の活用が書かれていたため、加害者はおそらく、そのままなのかもしれません。

自責の念をもたないので、そのままにならざるを得ないのかもしれませんね。

この記事を読んだあなたはそうならないようにしましょうね。


ここまでお読みいただきありがとうございます。

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紀伊國屋書店
発売日 : 1999-12

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