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値上げのためのマーケティング戦略/菅野 誠二

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おはようございます。岡本大輔です。
本日の紹介はこちらです。
↓↓↓

著者 : 菅野誠二
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
発売日 : 2013-11-08








【出会い】
クロスメディア・パブリッシングの吉田さんから献本していただきました。ありがとうございます。


【本書紹介のねらい】
~Amazonより~
高収益企業に見られる共通の行動は、戦略的なプライシングを実行していることである。
本書で解説している中核の概念としての「顧客価値創造プライシング」を体現しているからこそ、顧客の満足と企業収益のバランスがとれているのである。
サービス業のみならず、技術力と製品開発能力を持つモノづくり企業に必要なものとは、利益を確保するための顧客価値を創造するプライシング戦略と事業環境変化に対応したマーケティング戦略の実行である。
本書には、経営者、マーケティング責任者やブランドマネージャーに必要不可欠な知見とヒントが凝縮されている。


マーケティングの教科書です。安売り競争はもうやめて、顧客に高い価値を提供できる値上げ戦略を考えてみよう。

【響いた抜粋と学び】
著者の菅野さんはボナ・ヴィータ代表取締役ビジネス・ブレークスルー大学教授(マーケティング)。早稲田大学法学部卒、IMD経営大学院MBA。ネスレ日本株式会社、ブエナ・ビスタ(ウォルト・ディズニー・カンパニービデオ部門)マーケティングディレクター、マッキンゼー&カンパニーにて経営コンサルタントとして営業戦略立案プロジェクトの実施や、商社のマルチメディア戦略、韓国財閥企業の新商品開発プロセスのリ・エンジニアリング、都銀のニューメディアバンキング戦略、アパレルメーカーの新規事業戦略立案等を担当。現在、ボナ・ヴィータを設立(執筆当時)。

介護業界は値上げ、値下げというのは基本的にできませんが、本書のマーケティングが参考になれば……。

低価格は一時買うための動機付けにはなるが、その刺激にも慣れて当たり前のことになると、もっと買いたいという欲求には繋がりにくい、今こそ利益志向の価格決定権を自社が取り戻すときではないか。

顧客は価値交換するためにコストを支払うが、そのコストを支払った後の残り、つまり「得した! 良い買い物した!」「これでやっかいごとが片づく」「楽しい思いができる」と思う分が顧客価値であると定義できる、その差が大きいほど顧客満足を生み出すのだ。


ワンコインランチが代表ですが、お買い得価格というのは、そのとき驚きを与えますが、あっという間に慣れも生みます。安い、という価値だけではすぐにその価値になれてしまいます。

介護業界で言えば、看護師がいて機能訓練をしているのにあえて加算をとらない、介護福祉士が40%以上いるけれど、あえて体制加算をとらない、という値下げ戦略は聞きます。

値下げこそが最大の顧客サービスという言葉も聞きます。その上で、値下げだけでは顧客は飽きてしまいます。サービスはヒト対ヒトなので、ヒトの部分の価値を上げていかないと、いくら値下げしても
「安かろう、悪かろう」
となってしまうのですね。

加算をとらないで安く、よりもしっかり加算をとった上で、日々サービスの向上に努めています、と割高な分しっかりしていれば、問題ないかと思います。

利益を上げるためにまず「誰をお客様にするか?」を考えるべきである、顧客(市場)には様々な嗜好の顧客が存在する。人の動機付けで最も大きいものはニーズに対し自分の状況を少しでも改善したいという欲求(ウォンツ)だ、人は多くの場合、具体的に「これが手に入れば自分のウォンツは満たされる」ことは知覚している、そのニーズを満たすための手段を明確に意識してブランドを指名買いするというウォンツを起こさせればしめたものである。

ペルソナをつくる……製品を開発、改良する際に、ユーザーの使い勝手を向上させるために人間工学や認知工学を踏まえ「人間中心設計」の観点から現実感のある個人を想定してデザインする。


あなたの顧客の明確なイメージを作りましょう。あなたの顧客のウォンツは何か? 何を求めているのか?

社員を規則で縛っても限度があるし、退職者の口に戸は立てられない、最大の防御策は企業の理念と行動を一致させ、社員も共感して行動してもらうことにつきる。

ここはSNSの使い方です。最近ではお馬鹿画像をツイッター等で流して、お店が倒産する事態にまでなっています。いくら罰則を作っても防ぎようがありません。
あなたの会社の理念を何度も伝え、一緒に語り合い、行動を一致させていくことなんでしょうね。

人は他人から何か嬉しいことをしてもらうと、何かお返しをしないといけない気持ちになる心理が働く、無料でサンプルをもらったり、価値のあるメルマガを無料で配信してくれたり、「でんかのヤマグチ」で病院にまで連れて行ってもらうような裏サービスを受けると、ここで買わないと悪い気がするという心理が働く。

ターゲット顧客によってブランドイメージは全く異なるので、そのイメージを把握し理想のポジションを求めて提供価値そのものとコミュニケーションを変えなければならない。

単に速いとか軽いなどという機能的価値は成熟した社会で差別化要因になることが難しい、それ故、情緒的価値の中核であるデザインやブランドをもう一度見直すことは、もう避けられない、そのためにはデザイナーでないビジネスパーソンもデザインの持つ力を信じ、「観察」などの調査手法や分析による問題発見・問題解決を行うデザイン思考を身につける必要がある。


ここはまとめて抜粋です。

自分たちの仕事がここからここまでという線引きは確かに必要です。八百屋さんが魚を売っていても信念がブレているだけです。

その一方で、顧客が困っているときは、線を超えてのサービスが感動を呼ぶ、ということもあります。
※ 介護業界では難しい面もありますが……。

昨今の日本は世界的に見ても成熟した社会となっています。この時代に一歩抜きん出るには機能面だけでなく、デザインや、あなたの商品を持つことによって得られるもの、満足感が重要なんでしょうね。

様々なマーケティング戦略を語っては来たけれど、顧客価値創造プライシングを実行して利益を得るには、意思強固なマネージメントと実行する組織力は欠かせない、このことを最後に強く主張したい。

ここが最後です。いくら手法を学んでも実践につながらなければ、意味がないのです。トップが断固たる決意で実行していかなければなりませんね。


【編集後記】
長女の熱も下がり、美容室にも行ってきて家族全員さっぱりして新年を迎えられます。今日は夕方から妻の実家に行きます。夜は自宅に帰って年越しです。
僕はきっと年越し前に眠って、初日の出を見に行きます。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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著者 : 菅野誠二
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