おはようございます。岡本大輔です。
本日の紹介はこちらです。
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角川書店
発売日 : 2013-04-10
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【出会い】
帯広図書館の新刊コーナーで出会いました。
【本書紹介のねらい】
~本書抜粋より~
羽生善治を改めて考えてみたい……一つめは、その圧倒的な強さの秘密はどこにあるのかを探ってみたかったことである、二つめは羽生善治とは何者なのか、ということを考えてみたかったことである、そして最後の理由は、羽生さんがいったい、どこに向かおうとしているのかということに、強い興味を覚えたことだ。本書は「羽生善治論」というタイトルであるが、あえて最高峰が誰であるかを書くことは差し控えた、大作曲家であるバッハ、ベートーヴェン、モーツァルトを比べるようなもので、見解は分かれるところである。
羽生善治という棋士を通して、将棋への興味と理解を深めてもらえれば、とてもうれしく思う。
羽生善治さんをテーマにして将棋への理解や”天才”とはなんぞやとあなた自身に考えていただき、分析力を養ってもらえれば、と思います。
【気になった抜粋】
「秀才型」というのは、研究がもはやスタイルになっているタイプのことだ、羽生さんはおそらくそうだと思うし、谷川さんもこのタイプだろう。
将棋に必要な体力は、消耗しない体力だといっていい、いかに長時間、フレッシュな状態を保てるかということが肝心なのであり、これらは肉体的トレーニングをしたからといって身につくものではない、対局を重ねていくなかでしか培われないものなのである。
【響いた抜粋と学び】
将棋400年の歴史に残る大名人である大山さんが棋士は「天才業」と呼んでいたのだから、少なくともタイトル戦を戦っているようなトップ棋士は、自分が意識しているかどうかはともかくとして、「天才」と呼んでもさしつかえないだろう、したがって、羽生さんも、天才であることは間違いない。
大天才とは、無から有を生み出すことのできる人、まったく何もないところから、前例のない、すばらしい着手や作戦を思いつく―天才とは、そういうことができる人である。
勉強をしている、していないにかかわらず、早く指すことができて、しかも着手が正確で、なおかつ勝つこと―これは、間違いなく天才の共通点である、絶対だ、天才は、盤を見た瞬間に、パッと手がひらめくのである、こうした能力は努力したからといって身につくものではない、もって生まれた、並外れた素質としかいいようがない。
あとから考えた手というのは、冷静かつ慎重に、確認しながら読んでいった末の選択であるのだから、その思考回路に欠陥はないはずである、理屈でいえば、ひらめいた手よりすぐれているはずだ、しかし、読むときは往々にして自分の都合のいいように読んでしまう、どこかに判断のおかしいところが生じてしまう。直感の手、ひらめいた手というのは、無心で捉えている、将棋の世界で生きている人間は、無心の手がいちばんいいと考えているものだ。
20世紀最高の発明王であるトーマス・エジソンの言葉で
「天才とは1%のひらめきと99%の努力である」
と”誤訳”されています。
本当は99%の努力……血の滲む努力をしても1%のひらめきがなければ、何の意味もない、成果もでない、と痛烈な言葉なのです。
トッププロの棋士を天才業と称するのも納得です。
僕自身、長男と将棋を指したことが何度もあります。しかし、僕の場合、盤を見て頭で考えて相手がどう指したら、自分はこう指して……と長考ばかりでした。
盤を見て直感で指すことはできませんでした。
プロになると10人くらい同時に相手ができるくらいですから、パッと見てわかるんでしょうね。
羽生さんはなんとか苦しい局面をしのぎながら、まさしく糸のような細い、細いコースを辿っていくことができるのである、それが可能である理由はやはり、「勝負勘がずば抜けている」ということだと私は思っている。
「不利な状況を喜べる人間」―羽生さんは自分自身をそう評しているが、つまりピンチのときほど奮い立ち、なんとかすることを喜びと考えられる、そうした姿勢が羽生マジックを生み出すのだと思う。
数々の羽生マジックを生み出してきた羽生さんの内面……それは最後まであきらめないこと。シンプルですが、これが一番ですね。
ほかの棋士に較べ、作戦のレパートリーが圧倒的に広いこと、それは羽生さんを語るうえで絶対に見逃せない特徴であり、完勝が多い理由にもなっているのではないかと私は思う。
野球で言えば、ピッチャーで言えば豪腕速球派ではなくて、七色の変化球タイプといったところでしょうか。ダルビッシュ有投手みたいですね。
棋士の中には振り飛車のみ、居飛車のみ、といった方がいる中で羽生さんはなんでもこなします。なんでもできて、それでいて勝つということはそれぞれが洗練されているということですね。
羽生さんと森内さんの将棋をあらためて検討してみて浮かび上がってきたことは、森内さんが非常によく羽生さんを研究しているということである、とくに序盤の研究は行き届いている、このことが、森内さんが羽生さんと相性のいい最大の理由だと私は思う。
圧倒的な力を持つ羽生さんも唯一、森内さんとは相性がよくないようです。
※ ちなみに3年くらい前に森内さんと佐藤さん(だったかな?)の将棋を見たことがあります。
抜粋以外にも羽生さんと森内さんの年間の勝負数も比較されていました。羽生さんは強いがゆえにハイペースで将棋を指さなければならない、どうしても万全の状態にはなっていないのではないか? それに比べて森内さんの方が余裕があり、羽生さんとの勝負に集中できる、とありました。なるほどです。
【編集後記】
本日、8時半のバスで札幌に向かいます。移動中はもちろん、読書です。
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