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また、福祉が人を殺した―札幌姉妹孤立死事件を追う/寺久保 光良 和久井 みちる 雨宮 処凛

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おはようございます。岡本大輔です。
本日の紹介はこちらです。
↓↓↓

あけび書房
発売日 : 2012-08









【出会い】
帯広図書館で出会いました。

【本書紹介のねらい】
~Amazonより~
3度も福祉事務所にSOSを発した姉妹が電気もガスも止められた厳冬の札幌で死んだ…生活保護バッシングの陰で頻発する餓死・孤立死。

【響いた抜粋と学び】
著者の寺久保さんは日本福祉大学2部社会福祉学部卒業。小川赤十字病院で医療ソーシャルワーカー、埼玉県和光市福祉事務所で生活保護ケースワーカー、榎本クリニックで精神医療ソーシャルワーカーを経て、高知女子大学(現高知県立大学)講師、あさひ共同作業所所長(高知市内)、山梨県立大学教授を歴任。退職後、フリーライターのほか、「笑い療法士2級」「笑い伝道師」として、「苦しいときこそ笑いを」をモットーに活動しています。

雨宮さんは作家・活動家。2000年自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版/ちくま文庫)でデビュー。以来、「生きづらさ」についての著作を発表しています。2006年からは新自由主義のもと、不安定さを強いられる人々「プレカリアート」問題に取り組み、取材、執筆、運動中。メディアなどでも積極的に発言。3・11以降は脱原発運動にも取り組みます。2007年に出版した『
生きさせろ! 難民化する若者たち [単行本]』(太田出版/ちくま文庫)はJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞。「反貧困ネットワーク」副代表、『週刊金曜日』編集委員、フリーター全般労働組合組合員、「こわれ者の祭典」名誉会長です。

和久井さんは大学卒業後、障がい者、高齢者、子どもの介護や支援に携わる途中、地方公務員として福祉現場を経験。ドメスティック・バイオレンスによってうつ病を発症し、失職。生活保護制度を利用するに至り、生活保護問題改悪に当事者として関わりながら3年半を過ごします。現在は再就労ができるようになっています。生活保護問題対策全国会議会員です(3名とも執筆当時です)。

芸能人の母親が生活保護を受給していた、なんて問題もあれば、受給しなければならない状態にも関わらず受給できず最悪の結末を迎えた、ということもあります。

現実的な話です。
被保護実人員は
2000年:1072241人
2010年:1952063人
2011年:2067244人

はい。この10年間でほぼ2倍です。

その中で不正受給がどれくらいなのか?
2010年で全体の1.8%
25355件です。

ちなみに生活保護は世帯単位で行います。
2010年:1410049世帯が生活保護世帯です。

その1.8%です。
少ないからいいとかそういうことではありませんが……現実的に考えて不正を0にするのは困難でしょう。

この不正を0にするために、必要な人に保護申請をさせないのだったら間違っている、と言われても仕方のないことではないでしょうか。

ひとりも殺させない: それでも生活保護を否定しますか/藤田孝典

「餓死・孤立死」したほとんどの方たちの生活は困窮をきたしており、数か月にわたって家賃を滞納し、電気、ガス、水道代の支払いにも困っていた、けっして老衰などの「自然死」ではない、「社会的な死」であり、「貧困死」である、家賃が支払え、電気、ガスや水道の料金が負担できていないのならば、「餓死・孤立死」に至らなかったはずである。

「保護の要件」として「求職活動」(稼働能力の活用)と言っているが、求職活動は「保護申請の要件」でもないし「保護開始の要件」でもない、保護出来るかどうかの要件は、保護を必要とする状態であるかどうかだけである。

保護が必要と認識していたにもかかわらず、出来るだけ保護しないで済ませようという意思が働いており、少なくとも保護申請日を遅らせる意図があったと言わざるを得ない、困窮状態を認識していたのならば、まず保護申請を受け付け、困窮状態からの救済を図るのが生活保護運用の本旨である。

保護申請の時点で必要なことは、現時点でどんな生活を送り、生活に困ってはいないのか、困窮状態にあるのか、ということを確認することである、そのための情報をつかみ、保護申請につなげることが面接の役割である。

札幌市で餓死・凍死の姉妹の事件ですね。
冬の北海道で暖房が使えないのは生き地獄ですよ。毛布にくるまってなんとかなるレベルではありません。
※ 最近のアパートやマンションは日当たりのいい場所では暖房いらずですが。

これだけ生活が豊かになり、拒食症で苦しむ人が餓死よりも多くなった時代において、餓死・凍死ですよ。
それも、誰もその状態を把握できなかったわけではないんですね。

生活保護の申請をしにいってたんですね。

これはケアマネジャーも気をつけてほしいんですけど……。
社会福祉士の試験でも生活保護については毎年必ず問題がでるので、改めて確認ですが……。

保護を申請するにあたり、保護を受けなければならない理由は問われないんですよ。
これ大事ね。

人によっては借金があったらダメとか、ギャンブルやタバコやってたらダメ、就職活動していなかったらダメみたいなことを思い込んでいるかもしれませんが、そんな理由は一切不要です。

理由は問われないんですね。

問題なのは、生活保護を受けたあとに就労できるにも関わらず意図的に働かないこと、だと思うんですね。

そもそも仕事をしっかりできていれば保護の申請なんて不要なんですよ。冷やかしでわざわざ申請に行かないですよ。

で、ここから大事です。
こういう知識を持っていないのが通常なんですね。学校で教えてもらえないことでしょう。
だから、一般の人が福祉事務所で言われると、そうなんだな、って思ってしまいます。

ということは社会福祉士は、こういう人の権利を守るために活動が必要ですね。

「福祉事務所の人は、中にはいい人もいますが、多くが慇懃無礼です。気持が入っていないというか、上から目線というか、人を馬鹿にしたような口をきくことがあります。普通、市民の人と話すときそんな口のきき方をしたら怒りだしますよ。自分が偉い人だと思っているんでしょうか」。

本当に市民のためになる仕事をしてくれる人だという実感があれば、公務員を減らせというバッシングには絶対ならないと思うんですよ、市民側から率先して、要らないと言われちゃう公務員は、そのことを真剣に考えた方がいいんじゃないかと思いますね。

こういうのを読むとしっかり法律を理解した(全文を読めるとかそういうことではなくて)社会福祉士がケアマネジャーやっていると助けになるんじゃないかと思うんですね。

日本国民が健康で文化的な最低限度の生活をするための権利ですから。

そして、それを国民一人ひとりが守っていく義務がある、と僕は感じましたね。

ひとりも殺させない: それでも生活保護を否定しますか/藤田孝典
こちらにもありましたが、福祉事務所や生活保護課で働く人って受験エリートなんですね。

頑張って結果を残せる人がやっているわけで、頑張ってどうにもならない、どうにもできない挫折を味わっている人の気持ちを理解できていない可能性があるんですね。

なるほどね。

こういう想像力を養ったり、採用試験に反映されるといいんですけどね。

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【編集後記】
本日は担当者会議と認定調査があります。月末ですが集中してきました。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

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