こんにちは。岡本大輔です。
本日の紹介はこちらです。
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![]() | あけび書房 発売日 : 2012-12 |
【出会い】
ブックオフ音更店で出会いました。
【本書紹介のねらい】
~Amazonより~
DV夫から逃れて生活保護に…。前向きに、ひたむきに、元気に生きる筆者がつづる生活保護のありのままの世界。
【響いた抜粋と学び】
著者の和久井さんは大学卒業後、障がい児者、高齢者の介護や支援に携わった後、地方公務員として福祉現場を経験です。DV(ドメスティック・バイオレンス)によってうつ病で失職。生活保護制度を利用するに至り、生活保護問題に当事者として関わりながら4年を過ごします。現在は就労ができるようになっています。生活保護問題対策全国会議幹事です(執筆当時)。
生活保護関連の書籍については今まで
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ひとりも殺させない: それでも生活保護を否定しますか/藤田孝典
また、福祉が人を殺した―札幌姉妹孤立死事件を追う/寺久保 光良 和久井 みちる 雨宮 処凛
を紹介しています。
その他、目次:福祉系 に福祉関連の書籍を載せています。
僕がケアマネジャーとして担当しているお客様の中にも生活保護受給者は数名いらっしゃいます。
その中で不正受給をしている方はいません。
生活保護利用者は怠け者ではありません、生活保護制度は人間をダメにする制度ではありません。
「不正受給」が騒がれていますが、不正受給と呼ばれる額は、国全体の生活保護支給額の0.4%にすぎません、圧倒的多数の生活保護利用者は正直です、わずか0.4%の不正受給をさも生活保護利用者全体の問題のように、騒ぎ立てられてしまうのです。
生活保護の利用者は8割が病気や障がいのある人と高齢者です、外見からは分からなくても体調が悪い人が多いのです、それがそもそもの前提です、だから生活保護で暮らしている人でも、やむなくタクシーを使うことはあります。
現在、高齢の女性が受給している割合は多いと思います。というのは専業主婦で夫の遺族年金や貯金がない方は国民年金未加入で他の収入がないため必然的に生活保護となるケースが多いようです。
ちなみに「データでみる県勢 2015年版―日本国勢図会地域統計版 [単行本]」では2012年の生活保護世帯は
全国で
・150万世帯
・210万人
となっております。
不正受給が0.4%ということは6000世帯ということになります。
6000世帯もあるのか、と考えるのかどうかですね。
福井県
富山県
あたりは県全体で3000世帯の受給者です。
6000世帯を簡単に言うならば
この2県両方合わせた数字ですね。
※ ちなみにこの2件は極端に少ない数字です。
東京は21万、大阪は22万。北海道は12万。青森で2万3千。1万世帯を超えているところがほとんどで下回っているのは12県です。
生活保護費は冬には冬季加算と言って、暖房費に該当する金額が加算されます、しかし、夏には加算がないのです、冬季加算も決して十分な額ではありませんが、日々、まったく余裕がない生活の中では、季節の移ろいに関する生活費の調整はとても大変でした。
僕は10年くらい前に愛知県で生活したことがあるのでわかりますが、北海道における暖房と同じ位置づけが本州の冷房です。
冷房には加算がつきません。
北海道の家の作りはしっかりしているので本州の家の中よりも暖房を使えば暖かいのですが、やっぱりそれは暖房を”使えば”です。
自民党の国会議員が雑誌の中で、ホームレスの人の中に糖尿病の人がいると言って、あたかも「いいものを食べているんじゃないの」というような発言をしていました、ホームレス状態の人や、生活が困窮している人たちが食べているものは、とにかく空腹を紛らわすことが第一なので、ご飯や麺類の炭水化物が多いのです。
1カ月にもらえる額は決まっているのですから、外で惣菜を購入している人は何か不正をして普段よりいいものを食べているわけではありません、アレルギーや食事制限があるために、少々割高な食材を購入せざるを得ない人もいるのです、また一方で、調理や金銭管理などの生活力の乏しさから、体に悪いとわかっていても、とにかく安さ優先で食べていくしかないという現実があるのです。
国会議員の人はコンビニ弁当やスーパーの惣菜、ジャンクフードなんて食べないでしょうからわからないのでしょうね。
このあたりはカロリーばっかりで栄養があまりない、食べ続ければ糖尿病まっしぐら。
贅沢ではありません。貧乏だからですよ。
「修理費は貯金して自分で出してください」ケースワーカーに相談して、窓口でこう言われておしまいだったという経験者はたくさんいます。
生活保護制度を誤解している人が多いようなのでここで確認です。基本的には貯金が認められます。
税金を貯めていいの? なんて思うかもしれませんが、あなたは貯金をしないのですか? ということですね。
何かあった時のために貯金することが不正であれば、世の中の人はなぜ貯金するんでしょうか? ということです。
ま、貯金するにしてもたとえば北海道の冬で寒さで凍えながら暖房をまったく使わないで貯金したとなればそれはちょっと行き過ぎだよね、となります。
支給額の一割は最初から貯金しておく、という生活であればさほどの問題ではないと僕はとらえていますが、ケースワーカーに確認ですね。
家電が壊れたときは別支給されませんので要注意です。
わかっているはずの役所が、生活保護の利用者をまず真っ先に採用から外していくのです、民間企業ならなおさらでしょう、初めから「対象外」なのです。
和久井さんが生活保護から抜け出すために働こうと思って役所に面接に行きました。
面接後、
「一週間後に通知がされます」
となっていたのに、即日通知
「不採用」
おいおい、って感じですよね。
役所の意見ということは市町村民の意見の反映ですか? ってことにもなりかねないのかな。
「医療券は出します。でも通院移送費は出しません」
「病院に行きたければ、自分で食費を削ってください」
当時のあたしのケースワーカーのセリフです、なんて冷たい響き。
食費削って受診するのが常識になったのはいつでしょうかね。
あたしの友人には、ケースワーカーから「恋愛禁止」を言い渡された人がいます、実際、生活保護利用者が誰かと交際していたりすると、眉をしかめられることが多いようです、男女交際禁止の高校生でもないのに、成人した立派な大人が恋愛をして何が問題なのでしょうか。
AKBかよ!!?
って突っ込みました。
おいおい。
国会議員は鉄道の交通費だって無料だし、ピカピカな車に運転手だってついていてタクシーなんて乗らないのです、議員宿谷は都内の一等地にありながら格安家賃で住むことができます、都内の生活保護の住宅扶助費に少し上乗せされたくらいの家賃額だったと記憶しています。
なるほどね。と思ったところです。
6000件の不正受給を咎めるなら、衆議院と参議院の合わせて722人(480人・242人)の待遇はどうなんですか? ってことなんですね。
確かにね……。
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【編集後記】
本日平成26年仕事納めです。最後は提供表配りが残っています。
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